労務ぷらんコラム
とある社労士の就業規則コラムSS 8(連絡がつかない社員を)
神戸の就業規則社労士:井上です。
以前も似たようなことを書きましたが、無断欠勤について、書きます。
いるんですわ!
勝手に他の会社に勤め始めたとか!?
無断欠勤した従業員が自宅にいないとか!?
さて、従業員の無断欠勤状態が続いた場合、会社として業務上はもちろん、
給与や社会保険資格などの面でも取扱いに困ることになります。
まず無断欠勤は許されないことをしっかりと教育すべきですが、
無断欠勤者への対応として会社は以下の点を注意しましょう。
1、就業規則に無断欠勤に関する条文を規定すること
前提として、
「無断欠勤が14日以上続いた時は、退職の意思があるものとして自然退職の扱いとする」
などの文言を就業規則に定めておくと、
当該日が経過したときにその規定に則って手続きをすすめることができます。
2、退職の意思確認をすること
従業員本人に、就業意思があるかの確認をしましょう。
メールや電話、あるいは自宅訪問等、連絡がとれる可能性のある手段で行い、
それを記録として残しておきます。(これ、重要です!)
文書連絡であれば、「連絡が欲しい。このまま連絡がとれないと、自然退職として取扱いせざるをえない」
等の内容にして、会社側が連絡を取ろうと試みた形跡を残しておくことが肝心です。
郵便の場合は、記録郵便にしてください。
それでも連絡がとれないようならば、事前に定めたルール(就業規則等)に則り、
日数が経過したら自然退職として処理します。
ちなみに無断欠勤に対して「解雇」という取扱いをするのはできれば避けたいところです。
解雇となると労働契約法などの規定による
「解雇権濫用法理:合理的かつ社会通念上の相当性がない解雇は無効」に照らし合わせて妥当か否かを判断されることになり、
万が一退職をめぐってトラブルになった場合、解雇の高いハードルが会社に不利に働く可能性があります。
3、給与の払い方
給与を本人の口座に振り込んでいるならば、給与支払日には口座に振り込みます。
また、直接手渡しで行っている場合には、
「○月○日に給与を支給するので、会社までとりにきてください」という内容の文書を送ると良いです。
(むふふ、この手口は、しばしば使いますねぇ)
こちらで、会社は残りの給与を支払う意思があるのだと伝えることができます。
退職に関する取扱いはしばしばトラブルにつながりますので、慎重に行ってくださいね。
労務プランニング オフィスINOUE