労務ぷらんコラム

ゼロから始める労務管理制度 25(公正な採用について)   [2018.06.11]

神戸の社労士:マサ井上です!

派遣元責任者講習の最後に「公正な採用」という項目があります。

厚生労働省の指針と裁判例が異なることもあり,

私の講義では、実際の事例をディスカッションしております。

 

さて、ここで厚生労働省の指針より、公正な採用について、少しまとめてみましょう。

 

日本では日本国憲法(第22条)により、基本的人権の一つとして全ての人が「職業選択の自由」を保障されています。

これは、誰でも自由に自分の適正・能力に応じて職業を選べるということであり、

これを実現するために雇用する側(会社側)が応募者に広く門戸を開いた上で、

適正・能力のみを基準とした「公正な採用選考」を行うことが求められています。

 

「公正な採用選考」を行う基準は

①応募者に広く門戸を開くこと

②応募者の持つ適正・能力以外のことを採用基準にしないこと

適性・能力に関係のない事項は、それを採用基準としないつもりでも、

応募用紙に記載させたり面接時に尋ねたりすれば、

その内容は結果と してどうしても採否決定に影響を与えることとなり、

就職差別に繋がる恐れがあります。

 

具体的にどんなことに配慮すれば公正な採用選考を行えるのか

公正な採用選考をする上では、下記のような事項を質問することについて注意が必要です。

 

<a.本人に責任のない事項>

・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)

・家族に関すること(職業、続柄、病歴、地位、学歴、収入など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)

・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)

・生活環境・家庭環境などに関すること

 

<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)>

・宗教や思想に関すること

・人生観、生活信条に関すること

・尊敬する人物に関すること

・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること

・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

 

<c.採用選考の方法>

・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

上記に例示した指針を全て杓子定規に適用するばかりでは、

有意義な選考ができないこともあるでしょう。

例示した項目を参考にしつつ、差別的な意図を持って採用選考をしない心構えが重要だと思います。

 

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