労務ぷらんコラム

就業規則社労士の奇妙なコラム3 (会社合併時の賃金)

2014.12.10

神戸の就業規則社労士:井上です!

大企業A社には、B社とC社という下請けの中小企業があります。

A社からすると、面倒なわけで、「合併をしてほしい」というようなことになりました。

B社とC社では、B社の方が儲かっています。

その際、C社としては、せめて対等合併(吸収合併のため)にして!

と言うような話を聞いたことがありました。

 

さて、合併後の賃金をどうするかという問題があります。

 

今日はその話ですぞ!

 

 

今日のテーマ!

【会社の合併が行われた場合、別々の会社で働いていた従業員の労働条件をどう調整するかが問題!】


そもそも合併とは...

2つ以上の会社が合併契約により1つの会社になることを言います。

合併には

①新設合併と②吸収合併の2種類あり、

・新設合併とは、合併対象となる全部の会社が解散して新たに会社を設立することを言い、

・吸収合併とは、ある1社(以下:存続会社)が合併後も存続し、そこに解散した他の会社(以下:消滅会社)が吸収されることを言います。

 

消滅会社が持っていた権利や負っていた義務は、新設会社又は存続会社に全面的に引き継がれます

この中には労働関係も含まれるため、消滅会社で働いていた従業員の労働条件も引き継がれることになります。

この場合、存続会社の従業員とは労働条件が異なっているため、統一させる必要があります。

そこで、統一方法として3つほどご紹介します。

 

1、全て高いほうの労働条件にする

2、全て低いほうの労働条件にする

3、内容によって高いほうも低いほうも採用するが、全体的には従業員の不利益にならない労働条件にする


1は、会社にとって負担が大きいため現実的でなく、2は社員の不利益が大きいため労使トラブルに発展する可能性が高いです。

そのため、選ぶなら3と言うことになります。

 

ただ、低いほうの労働条件も採用するため、不利益に変更される箇所もでてきます。

この場合、「不利益変更をする合理性」が認められなければなりません。

例えば、退職金の金額を少なくしたとしたら、代わりに休日を増やしたりする等、

全体的には社員の不利益にならないように策を講じているかが判断材料となります。

 

合併後に労働条件を調整する場合、従業員にとってある程度の不利益な変更になることは避けられないのではないかと思います。

そのような場合、代わりに有益な措置を設ける等、誠意を持った対応をしていくことが望ましいでしょう!

 

で、BC社は、どうしたかというと、やはり3のやり方でした。

3~5年かけて、B社ベースの賃金にしていくというものでした。

その間、不利益になる部分に関しては、「調整手当」を作り、不利益部分を補てんするというものでした。

初年度は補てん率100%、2年目は補てん率75%、3年目は・・・・・・

と言うように、補てん率を下げ、その間、昇給し等で、実質賃金は下がらないように工夫しておりましたね!

 

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