労務ぷらんコラム
とある社労士の就業規則コラム 3(賃金規定を作りましょう)
ワタクシ、井上正宣は神戸の社労士です!
さて、あなたの働く目的って、なんだ?
やっぱ、給与をもらうために働いているんですよね!
給与・賃金を、いきなりダウンする!
それは、許されるのでしょうか?
では、考えてみましょう。
就業規則を変更するとき、会社が一方的に賃金などの労働条件を引き下げてよいのでしょうか。
労働条件の不利益変更にあたるため原則としては問題がありますが、程度や状況によっては引き下げも可能です。
ただし、十分に説明する場を設けるなど慎重に行いましょう。
【不利益変更とは】
労働契約法第9条に「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、
労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」と規定しています。
言い換えると「合意があれば」条件引き下げもできます。
社員数が少ない会社であれば個別の労働者と面談し合意を得るべく説得することも可能かもしれませが、
ある程度以上の規模の会社では実質的に不可能となるでしょう。
この場合、就業規則の変更という形式で社員にアナウンスする事になります。
では、その就業規則変更が有効になるのはどういうときでしょうか。
労働契約法10条には以下のように規定されています。
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使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。
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この条文から読み解くと、以下を事前に十分検討した上で引き下げを行う必要があります。
- 労働者の受ける不利益の程度が、状況としてやむを得ないかどうか
- 労働条件の変更の必要性が本当あるか(主に経済事情、会社の財務状況、著しく世間軒順に逸脱した状態を是正する必要性など)
- 変更後の就業規則の内容は、状況として妥当であるか
- 説明手順をきちんと踏んでいるか、一方的すぎないか
特に賃金引き下げについては反発が予想されますので、
社会保険労務士などの意見を聞きながら慎重に進めて行きましょう。
賃金引き下げで、倍返しなどにならないように!
労務プランニング オフィスINOUE