労務ぷらんコラム

就業規則社労士の奇妙なコラム21 (誰を整理解雇するべきか)

2015.02.23

神戸の就業規則社労士:井上です。

 

例えば、ドラマなんかで、しばしば見るじゃないですか?

部下のうち、1名を解雇しないといけない。

でも、選べない!?

なんてこと!

 

プロレスラー中邑真輔みたいに、

「どっしよっかなぁぁぁぁ」というライトな感じで出来たら苦労はしないのですが、

そうはいきませんね。

解雇される社員の答えは「イイヤァオ!」

 

さて!

 

経営状態が悪化し、整理解雇などの人員整理が必要になった場合、

その整理解雇の相手を会社が任意に選ぶことはできるでしょうか。

 

整理解雇の正当性について争うときは、判例で確立された次の4つの要件をもとに判断されます。

 

1、経営上の必要性

まず、「経営上整理解雇が本当に必要なのか」という点です。

必要性の程度ですが、必ずしも「整理解雇しないとすぐに会社が潰れてしまう」までの緊急度までは求められず、

例えば「不採算の部門があり、残しておくとこの先ずっと赤字を垂れ流しになってしまうから」という理由であっても大丈夫な場合もあります。

財務状態や市場動向などの数値で必要性を説明できることが大切です。

 

2、解雇回避努力の程度

解雇は従業員にとっては一大事ですから、他の部門に異動させるとか、

ワークシェアを試みるとか、他のコストカットを頑張るなど「解雇をできるだけ避けるために努力した実績」が必要です。

 

3、対象者の選び方の合理性

ここが表題の疑問に対する部分です。対象者選びについて会社の意向があるのはもちろんですが、

「ただ何となく働きが悪い」「上司に楯突くから目障りだ」などの理由では合理性は認められないでしょう。

特定の従業員の働きぶりが悪いなら、その「働きぶりの悪さ」を説明できるだけの証拠を揃えなければなりません。

 

4、会社が説明責任を果たした程度

整理解雇に至るまでに、「なぜ整理解雇が必要なのか」などについて誠意をもって話し合うことも必要です。

整理解雇については心苦しいことですが、専門家などの意見を聞きながら十分な準備をして臨むことが大事でしょう。

 

会社を守ることは難しい!

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