労務ぷらんコラム
ゼロから始める労務管理制度 23(通勤手当について)
神戸の社労士:マサ井上です!
通勤手当は、交通費全額支給と思っている社長さんがいました。
通勤手当について会社は、法律上は必ずしも支払わなければないものではありません。
会社が支給基準や金額を自由に決めて良いものです。
つまり、0円でも良いし、上限額を決めても良いのです。
しかし、実際には労働の対価としての基本給などとは別に通勤にかかる経費を
会社が支給するという考えは一般的であり、労働者もそれを期待して言うことから
多くの会社で通勤手当を支給しています。
その通勤手当を不正に受給していた場合、会社としてどのような対応をすべきでしょうか。
・不正のパターン
不正のパターンとして多いものが、「通勤経路」と「通勤手段」を虚偽に申告するものです。
1)実際には自転車で通っているのに電車で通っていると偽って定期代をもらう
2)自宅から最寄駅までバスを使っていると申告していると偽る
3)迂回するようなルートを申告して、その分の公共交通機関の費用を請求する
このように、会社にウソをついて通勤手当を不正受給することは一種の横領行為です。
・対応策
通勤手当の不正受給は金額的には軽微なものですが、
正しく申告している社員との公平性のためにも見過ごさずに対応すべきでしょう。
具体的には、
①過去に遡っての不正受給分の返還をさせる
②懲戒処分を行うという二つをするべきでしょう。
②の懲戒については、金額にもよりますが訓戒や始末書提出などの処分が妥当なところではないでしょうか。
悪質性が高い場合はもっと重い処分(降格、減給、出勤停止や懲戒解雇など)も検討しなければならないかもしれません。
ヨーロッパでは通勤手当はありませんので、
会社の近くに住み、また、車などシェアして通勤をしているようですね。
残業の多い日本では、シェアは無理ですね。
労務プランニング オフィスINOUE