労務ぷらんコラム
ゼロから始める労務管理制度 13(働く社長にも労災保険を)
神戸の社労士:マサ井上です!
中小企業の社長と言えば、社員と同じ、あるいはそれ以上に働くわけですが、
社長にも労災保険が必要ではないか?という疑問をお持ちでしたら、
特別加入をお勧めします。
労災保険といえば、
本来、労働者つまり「雇われている人」の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度ですが、
中小事業主や自営業主など労働者以外でも、その業務の実情、災害の発生状況などからみて、
特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の人には
特別に任意加入が認められています。
これが、「特別加入制度」です。
特別加入の対象としてイメージしやすいのは、例えば小規模の建設業などでしょう。
社長自身が現場に入って作業をしている場合、
事故のリスクがあるため特別に保護を受けることを選択できるというわけです。
この特別加入制度は、労働保険事務組合に事務委託をしている場合に利用することができます。
特別加入制度は以下4種類に分けられます。
⑴中小事業主の特別加入 (第1種特別加入)
中小事業主とは、労働者を常時使用する事業主及び、労働者以外で当該事業に従事する方(業務執行権を有する役員、家族従事者など)をいいます。
⑵一人親方の特別加入(第2種特別加入)
一人親方とは、労働者を使用しないで事業を行うことを状態とする方、その他の自営業者及びその事業に従事する方をいいます。
⑶特定作業従事者の特別加入(第2種特別加入)
特定作業従事者とは、「特定農作業従事者」「指定農業機械作業従事者」「国又は地方公共団体が 実施する訓練従事者」「家内労働者及びその補助者」「労働組合等の常勤役員」「介護作業従事者」の 6種類の作業に従事する方のことをいいます。
⑷)海外派遣者の特別加入(第3種特別加入)
海外派遣者とは、日本国内で行われる事業(建設の事業などは除きます)から派遣されて、海外支店、工場、現場、現地法人、海外の提携先企業等海外で行われる事業に従事する労働者のことを言います。
加入者の範囲、加入要件、加入手続き、加入時健康診断、業務上外の認定基準(保険給付の対象となる災害の範囲)などそれぞれの条件がありますので、当てはまるものをよく理解し加入することが良いでしょう。
第1種特別加入が、いわゆる、社長労災と言われるもので、代表取締役・取締役等の役員、その家族が加入できます。
社労士の顧問先なら、社労士会が運営している事務組合を通じて、
特別加入出来ますので、顧問先になりましょう!
労務プランニング オフィスINOUE