労務ぷらんコラム

とある社労士の就業規則コラムSS 5(御用だ!御用だ!)

2014.06.15

神戸の就業規則社労士:井上ですよん♪

この様な、ご相談を受けました。

 

「ある者が金庫をいじると、現金が足らなくなる」

現行犯でないと、逮捕できないですが、本人と話し合った結果、

退職していただきました。

この様な問題って、まれにあるんですよ!

そこで、金銭的トラブルでの解雇や退職について、考察しました。

 

 

 

解雇に対するハードルの高さ

労働基準法および労働契約法では、解雇には客観的合理性と社会通念上の相当性が必要であり、

それらがない解雇は解雇権濫用として無効とされます。

わかりやすく例えると、10人に聞いて9人程度が

『これは解雇止む無しだ、解雇する以外にない』というほどの理由がなければ、

解雇は難しいということだと考えたほうがよいでしょう。

 

金銭的不正に対しては厳罰傾向がある

そんななか、判例上は「従業員の着服、横領など金銭的な不正」については、

金額の多少にかかわらず厳格な判断をする傾向があります。

会社の備品を横領したり、不正経理などにより自己の便宜を図るような行為については、

懲戒解雇有効とされた判例がいくつもあります。

 

証拠をつかむための身辺調査はどの程度許される?

もちろん、懲戒解雇をするためにはその証拠がなければなりません。

そこで、不正現場を抑えるために探偵を雇って身辺調査をしたり、

ビデオカメラを設置することは問題ないのでしょうか。

このような身辺調査や監視については、なんでも許されるものではなく、慎重に行う必要があります。

裁判では、会社側の対応に信義の点で問題がなかったかも考慮されます。

例えば、個人のプライバシーを著しく害するような方法、

高圧的な方法等での調査は「不正調査としてもやりすぎだ」という判断をされる恐れがあります。

 

例えばロッカールームで盗難が相次いだ場合に監視カメラを設置するならば、

その設置を周知し、さらにロッカールームが女性のものであれば、

映像確認も女性がするなどの配慮をしつつ慎重に行うべきでしょう。

 

 今回の場合は、時間ごとに現金チェックをしたようですし、

また、その者は他にも不満を言っていたようですので、厳密には試用期間から本採用にならない

ということを30日前に通知したところ、本人が即退職を申し出ました。

 

お金って、怖いですよねぇ。

皆さんの会社は、こんな人いないですよね!

 

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