労務ぷらんコラム
とある社労士の就業規則コラムⅡ (割増賃金)
神戸の就業規則社労士の井上です!
残業代には、法廷時間を越したら、割増賃金を支払わないといけません。
ですが、その計算方法が、正しいかどうかは、意外とわかっていない経営者が多いのです。
そこで、割増賃金の計算を確認いたしましょう!
所定時間外労働(いわゆる残業)や、深夜、休日労働に対する割増賃金の基礎となるのは、
所定労働時間の労働に対して支払われる「1時間当たりの賃金額」です。
この1時間あたりの賃金とは、基本給だけを指すものではありません。
職務手当や役職手当など、各手当を含めて計算します。
しかし、以下の7つは労働と直接的な関係が薄く、個人事情に基づいて支給されているため、
基礎賃金から除外することが出来ます。
7つは限定的に列挙されたものですので、
これ以外の手当を控除して割増単価を低くすることは法律違反となります。
①家族手当
扶養家族のある労働者に対し、家族の人数に応じて支給するもの。
※扶養家族の有無に関係なく支給するものは除外できません。
②通勤手当
通勤に応じた費用で支給するもの。※通勤費用や距離に関係なく一律支給するものは控除できません。
③別所手当
扶養家族と別居することによる生活費の補助として支給されるもの。
※扶養家族の有無に関係なく支給されるものは控除できません。
④子女教育手当
社員の子供の教育費補助として支給されるもの。
⑤住宅手当
住宅に要する費用に定率を乗じたもの。
※住宅の形態ごとに一律に定額で支給するものは控除できません。
⑥臨時に支払われる賃金
臨時に支払われる賃金。退職金などが該当します。
(退職金の割り増しなんて、ありえねぇ~~)
⑦1ヶ月を超えるごとに支払われる賃金
1ヶ月を超えて支給される、賞与や精勤手当等が該当します。
上記の7つは同じ名称であっても異なった性質で支給された場合には
基礎賃金から控除することは出来ませんので、注意が必要です。
なお、就業規則並びに雇用契約書などで、
役職手当の意味合いを「残業代の定額支給」と定義付けている場合など、
手当そのものが割増賃金であれば当然に割増賃金の計算基礎に含まないことになりますが、
定義を適法にしておく必要があります。
就業規則は、きっちり作りましょうね。
労務プランニング オフィスINOUE
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