労務ぷらんコラム
助成金社労士の奇妙なコラム 超105(出張の移動時間は労働時間)
神戸の社労士:マサ井上です!
皆さんは、出張は多いですか?
会社の出張となると、長時間の移動が発生してくることが多くなりますが、
さて、出張の際の移動時間は、労働時間とされるのでしょうか?
1 労働時間の定義
労働時間とは、「使用者または監督者の下で労務に服しなければならない時間」のことを指します。
キーワードは「指揮命令下」です。
労働者が使用者の下で労働するにあたり、使用者の指揮命令下にあって、行動が制限される時間であるかがポイントになります。
直接「働け」と言葉で命令されているかということではなく、実態で指揮命令下にあるかを確認し労働時間であるかどうかを判断します。
2 出張の場合
出張の移動時間について、原則的としては労働時間としてカウントされないことが多いでしょう。
出張の目的は、あくまでも「出張先で業務を行うこと」であり、そのための移動は例え音楽を聴く、ゲームをする、食事をするなど私的な行動を制限されない時間なので、
業務を行なうための「日常の出勤」と同じ性質のものと考えられ、基本労働時間とはならないのです。
3 労働時間になる場合
ただし、物品の運搬自体や物品の監視等について特別の指示がなされている出張などは、
移動中においても物品の管理義務が生じるため、「業務中」(=労働時間)と考えられる事があります。
重要な機密文書を運んでいる時も、緊張を強いることになるため、
場合によって労働時間となる事があります。
出張だから一様に労働時間出ないと判断するのでなく、
指揮命令下にある状態であるかを検討した上で、適宜賃金を支払うなど対処をしてください。
当然、労災に該当するか否かも、労働時間であるからということになりますね。
労務プランニング オフィスINOUE