労務ぷらんコラム
助成金社労士の奇妙なコラム 超71(弁償してもらっても大丈夫か?)
2017.08.03
神戸の社労士:マサ井上です!
大手コンビニチェーンにおいて、レジの誤算があった時に罰金をとった企業の行為が非難された事件がありましたが、社員に対して弁償をさせることは問題なのでしょうか。
まず、ポイントですが、
社員への損害賠償について、ポイントは以下の通りです。
・実際に発生した損害に対して賠償請求をすることは不可能でない
・ただし、労働者が業務の遂行に当たり会社に損害を与えた場合、ワザとである場合を除き、
労働者の損害賠償責任は制限されるのが一般的である。
会社と社員は「労働契約」を結んでいる状態です。
労働契約においては「給料を払う義務」と「働く義務」を交換している状態ですから、
社員が職務の遂行にあたり、必要な注意を怠って労働契約上の義務に違反したような場合、
契約違反として損害賠償を請求することはできます。
ただし、事業活動によるリスクはそれにより利益を得ている会社が負うべきであるという理屈もあります。
つまり、社員がミスすることも織り込み済みで人を雇いなさい、というわけです。
そこで裁判所では、弱い立場の労働者を守るため、会社から労働者に対する損害賠償請求に制約を加えるという考え方をとっています。
実際には、よっぽどの背任行為や、重大な過失があった場合でなければ、弁償をさせることは難しいでしょう。
また仮に弁償が認められたとしても全額というわけにはいかない場合がほとんどでしょう。
軽はずみに弁償を求めたりしないよう注意してください。
労務プランニング オフィスINOUE