労務ぷらんコラム

就業規則社労士の奇妙なコラム11 (休業手当)

2015.01.12

神戸の就業規則社労士:井上です。

台風などの天災で電車などがストップした結果通勤できない従業員に対しての給与の支払いは原則として必要ありませんが、

一定の場合には労働基準法の「休業手当」を支払わなければならないことがあります。

まあ、経営者としては、釈然としませんが「使用者の責任」の休業となることがあるわけです。

 

 

休業手当とは:

労働基準法では「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、

使用者は、休業期間中当該労働者に、

その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と

定めてあります。

例えば

・不景気で工場の操業を止めた

・採用内定者について、経営悪化により自宅待機を命じたなどの場合は、

会社側の事情による休業であるため、

平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければなりません。

台風で電車がストップした場合はどうか:

台風で公共交通機関がストップしたことは天災という外部の要因によるものであり、会社ではどうしようもない不可抗力です。

ですから、一般的には「使用者の責に帰すべき事由」には当たらないとされています。

ところが、公共交通機関のストップによって出勤できない従業員が一部のみであり、

近隣の従業員は自転車などで通勤できた場合は事情が違います。

通勤をできる従業員も含めて休業を命じた場合には、

通勤可能な従業員に対しては休業手当を支払わなければならないでしょう。

台風などの天災の場合、子供の学校が休校になったり、

通所介護施設がストップしたりといった家庭事情も発生します。

従業員の安全と家庭事情を考慮して自社に合ったルールづくりをしましょう。

 

 

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