労務ぷらんコラム

【採用】記事一覧

労働審判とは

2024.04.18

神戸の社労士:井上です。

 

あっせんや調停でも解決しない労働問題や、「オレは勝ちたいんや」と白黒はっきりさせたい場合は、裁判となるかと思いますが、時間も経費もかかりますので、労働審判制度を使うことで早く解決することが可能です。

 

では、労働審判とは!

労働者と事業主との間で起きた労働問題を労働審判官1名と労働審判員2名が審理し、迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする非公開の裁判手続きで、平成184月から始まった比較的新しい制度です。

 

解雇や残業代請求などの労働紛争について、裁判官1名と労働関係の専門的知識と経験を有する労働審判員2名(1名が企業の人事部に長年所属していた人など、もう1名が労働組合の活動を行ってきた人などが選任されているようです。)で構成される労働審判委員会が、原則として3回以内の期日で事件を審理し、調停を試み、又は審判を行う制度です。

 

原則として3回以内というところがポイントで、従来の通常訴訟だと1年単位で解決までに時間がかかることと比較すると迅速な手続きを目指しています。短期間での解決を目指すことから、申立の約8割が金銭解決を中心とした和解的解決となります。

 

出頭は拒否できない

労使トラブル解決手段の一つである都道府県労働委員会の「あっせん制度」は、行政サービスのため出頭義務はありませんが、そのため相手方(多くは会社側)が出頭しないと話し合いが進まないという問題がありました。労働審判では出頭が強制され、拒否した場合は罰金が科されます。

 

労働審判後

調停が成立しない場合、審判が言い渡されます。これに対し、適法な異議申立がない場合、審判は裁判上の和解と同一の効力を持ちます。なお、審判内容に不服であれば、異議を申立てることが可能です。異議申し立てをした場合、労働審判は効力を失い,訴訟手続に移行します。

 

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特定技能の外国人が20万人越えに

2024.04.10

神戸の社労士:井上です。

 

労働新聞によると、

 

「特定技能の外国人が20万人を超えたことが、出入国在留管理庁の発表により分かった。令和5年12月末時点の状況をまとめたもので、在留外国人数は20万8462人となっている。前年同期の13万923人から7万7539人増加した」

とのことです。

 

駅前でも日本語以外の言葉を聞くようになりましたらかね。

 

ちなみに、分野別では、

 

「飲食料品製造業が6万1095人(前年同期4万2505人)、製造3分野が4万70人(同2万7725人)、介護が2万8400人(同1万6081人)などとなった」

とのことで、製造分野や介護分野が多いようです。

 

それと、この度、「外国人雇用」のサポートデスクの担当の一人になりましたので、

この分野も勉強しないとあきまへんわ!

 

 

 

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障害者を雇用すると企業の業績が伸びる理由

2024.04.09

神戸の社労士:井上です。

 

この様な記事を見つけました。

 

 

 

障害者を雇用すると企業の業績が伸びるようです。

 

この記事を要約すると、

まず、その理由は、

「健常者の生産性が上がるからだ」

さらに、

「優秀な健常者は多様性を潰す」とのことです。

 

理由は以下の通りです。

 

「周囲に違和感を覚えてもうまく自分を合わせる。苦手なことでも「やれ」と上司に命じられれば、何とかこなす。あるいは、期待を察して嫌な仕事にも自分から取り組む」

 

その結果、

 

「いつの間にか、似たような思考や能力の人ばかりの集団ができる。昔はそれでもよかったが、今の時代は通用しない。海外の企業に勝てず、日本経済の成長は止まっている」

と。

 

 

そして、障害者を雇用すると、どうなるかというと、

 

「職場にダイバーシティー(多様性)を持ち込み、他者を尊重しようという雰囲気を醸成してくれる」

また、
「障害の軽重は、労働者としての優秀さとはまったく関係ない。大切なのは特性と業務のマッチング」だそうです。

しかし、障害者を雇用するのは、難しい企業もある。

「そこまで障害者にリソースを割けない」と考える企業には何を伝えたいですか」という質問に対し、


「健常者だけの職場は楽だろう。

しかし、繰り返しになるが、イノベーションを生み出すには多様性ある組織でなくてはならない。

それを実現するための人材を、国の助成を受けながら雇えるのだから、活用しない手はない。

日本経済の成長に障害者の活躍は不可欠だ」

と。

 

「健常者だけの職場は楽だろう」ですか。

厳しいですが、成功する企業は多様性が必要ということには間違いないようです。

 

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技能実習制度を廃止し、「育成就労」創設へ

2023.12.20

神戸の社労士:井上です。

 

労働新聞によると、

「外国人技能実習制度と特定技能制度の見直しの検討を進めていた政府の有識者会議は

11月30日、最終報告書をまとめ、小泉龍司法務大臣に提出しました」とあります。

 

 

何かと問題が多い「外国人技能実習制度」です。

来日して早々にいなくなる。

そして、他府県で夜の仕事をしていたことがありました。

なんと言っても行方不明者が多いことです。

 

「外国人がいないと仕事が回らない」という企業もあります。

 

有識者会議では、

「技能実習では原則的に認めていなかった他社への転職については、

同一企業で1年を超えて就労するなどの要件を満たした場合に認めます。

転職の期間要件に関しては、必要な経過措置を検討するよう政府に求めました」

とのことです。

 

しかし、ここは失業率の改善、就労しやすい環境を整えることにも、忘れてはなりませんね。

 

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【雇用】バンダイナムコに6億円着服した社員が!

2023.01.19

バンダイナムコ、スゲー!

社内スマホ転売で6億円着服した社員がいると!

 

社内スマホを転売して、社内データを書き替えしたということですね。

それが、担当者が代わり発覚したと!

社用スマホ転売で6億円着服──バンダイナムコはなぜ、社員の不正を防げなかったのか:4000台を無断転売(1/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

 

あほか!

 

気づかない会社も、アホか!

 

原因は、一人で全社内のスマホを管理していることに起因しているようです。

また、リース切れなので買った業者も疑わなかったそうです。

まあ、やり手と言えばやり手ですがね……

 

しかし、6億円とまでも行かなくても、小さいコソ泥のような事件は、中小企業でもあります。

 

以前、若い訳アリの17歳を雇用した介護事業者でしたが、バカな当時の社長が「応援したい」と言って雇用しました。

※訳アリ:名古屋在住だが、神戸に彼氏がいるので、神戸まで来てバイトを始めたというもの。しかも17歳。

 

その訳アリ女は、買い物に出された際、おつりをかすめていたようです。

まあ、経理の経験があれば、「おかしい」と分かるのでしょうが、そこは、17歳なのでしょう。

 

本人問い詰めて、白状したそうです。

即解雇!

 

普通解雇は正しいと思います。

それと、「応援したい」はよろしいのですが、「普通と違う」ということは、「何かある」ことが多いです。

その点は、人を雇用する場合、気を付けるべきです。

 

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「障害者雇用代行ビジネス」なるものがあるとは!

2023.01.18

神戸の社労士:井上です。


さて、気になる記事を見つけましたよ。皆さんは聞きましたか?


「障害者雇用代行ビジネス」なるものがあるとは!


静岡新聞の記事を基にご説明いたします。

障害者雇用代行ビジネス 「働く場創出」に賛否 大半が休憩時間との証言も【表層深層】|あなたの静岡新聞 (at-s.com)



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近年、各地に広がる貸農園での障害者雇用「代行」ビジネス。

実施事業者は「障害者の働く場を創出」とうたい、企業は法定雇用率を達成できるというメリットがある。

一方、企業の拠点とは離れた農園に障害者が集められ、実際に働いた人からは「一日の大半が休憩時間だった」との証言も。農作業は本業とは関係なく、作物も販売しないという手法には「ビジネス事業者にお金を払い、雇用率を買うようなもの」と疑問が投げかけられている。

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(引用ここまで)


雇用率とは何かというと、ここでは「障害者雇用率」のことです。

民間企業は、2.3%というノルマがあります。

平たく言うと、「43.5人以上雇用している企業は、障害者を一人以上雇い、社会貢献しなさい」ということです。


この割合を達成できない場合は、ペナルティーとして、100人超えの企業は月額50,000円を支払い、達成した企業には、月額27,000円の障害者雇用調整金が支払われます。


なので、月額にして差額が77,000円あります。

(100人以下の企業は、ペナルティーはありませんが、達成した場合、障害者雇用報奨金があります。詳しくは、障害者雇用納付金制度の概要|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 (jeed.go.jp)を見てください) 



ここまで聞けば、障害者を一定額で、用意してくれたら、とか考える人がいる訳です。


新聞記事は、障害者の意見を紹介しております。

どうやら賛否があるようです。

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 「仕事はとにかく楽だった」。6年ほど前、エス社の農園で働いたことがある千葉県内の50代男性は振り返る。発達障害があり、エス社の募集広告を見て応募。雇用元はエス社に決められ、都内の機械メーカーだった。
水やりや収穫などの仕事はすぐに終わってしまい、大半が休憩時間だったという。自身への月給約11万円とは別に、企業が人材紹介料や農園利用料としてエス社に数百万円以上を支払っていることを後に知り「イメージアップのために雇用率をお金で買っていると言われても否定できないのでは」と話す。


一方、知的障害のある子どもの親からは「障害年金だけでは生活できない。良い話だと思う」との声もあり、評価は分かれる。エス社に批判への見解を尋ねたが「取材はお断りする」との回答だった。


障害者雇用に詳しい慶応大の中島隆信教授は「本来は企業の本業に貢献する形での雇用が望ましく、あるべき姿とは言えない。いくら正当化しても、結局は法定雇用率のクリアが目的であることは明らかだ」と指摘。
 

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(引用ここまで)


意見は様々ですが、最後の中島教授の言葉の通りで、「制度の趣旨に反する」と言われても仕方がない。

ただ、ここ数年で障害者雇用率を、一気に引きあげてきたツケだとも感じられる。


昔は、障害者雇用と言えば「50人に1人(障害者雇用率1.6%)」というイメージだったが、平成25年に障害者雇用率を2.0%、平成30年に2.2%、令和3年に2.3%(43.5人に1人)と引き上げてきた。

そこに新たなビジネスチャンスを生んだのは、政府の急激な雇用率引き上げにも、問題があるのではないだろうか。



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【派遣】労使協定対象者の交通費が変更されます。

2020.11.06

神戸の社労士、マサ井上です。

 

厚生労働省のHPによると、令和3年度の派遣労働者で労使協定対象者の交通費が変更されます。

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000682537.pdf

リンク先の22頁に「令和3年度通達の数値」を見ると、

72円から74円に変更されます。

 

基準値・評価・地域係数で基本給を算出し、

賞与の6%上乗せし、

交通費を支払っていない場合は、74円を加算した金額が時間給になるということでしょう。

 

これは、

あくまでも通達です。

 

 

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同一労働同一賃金の最高裁判決

2020.10.15

神戸の社労士、井上です。

 

10/13に同一労働同一賃金の最高裁判決が出ました。

 

大阪医科薬科大事件と東京メトロコマース事件の2つです。

ともに、労働者側の逆転敗訴となり、高裁の判決がひっくり返ったわけです。

 

そこで、ざっくりと判決を読み、感想を述べたいと思います。

 

論点は、労働契約法第20条にいう「職務内容に違いないのに、労働条件に差異を設けているのか」ということになります。

なお、労働契約法第20条は、令和2年4月より、

「短時間労働者及び有期雇用契約労働者の雇用管理の改善等に関する法律」の

第8条に移行しております。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/405AC0000000076_20200401_430AC0000000071/0?revIndex=1&lawId=405AC0000000076

 

第8条の内容はこんな感じ、

 

第八条 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。

(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止)

 

 

10/13の最高裁判決では、両事件とも、「職務の内容」は違うということ、

それと併せて、両被告とも「正社員転換試験」があり、

それを受ければ、賞与・退職金のある正社員になれたではないか。

しかも、その試験の合格率は過半数を超えており、難関な試験ではないと判断されたようです。

 

 

社労士の自分としては、「職務の内容の違い」より、「正社員転換試験」の有無が興味深いです。

 

「正社員転換試験があれば、有期契約社員に賞与や退職金を払わなくても良いのか?」というと、直ちにそう言う訳ではないです。

「転勤や配置換え」「責任の程度」といった「職務の内容」があることが前提と思われますので、

「正社員転換試験の有無」だけでは、判断しないでください。

 

さて、安倍内閣がゴリ押ししてきた「同一労働同一賃金」ですが、一時のように何が何でもと言う訳でなく、

深化してきたいように思います。

 

今年やっておきたいことは、長澤運輸事件やハマキョウレックス事件のように、名前だけで説明のつかない手当の改善は、きっちりやっておきたいところです。

賞与、昇給、退職金については、これからスタートと思います。

 

本日、10/15は日本郵便事件の最高裁判決が出ます。

どうなのか?気になりますぞ!

 

 

明日の労務管理を考えよう!

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【セクハラ】就職活動とセクハラ

2019.12.19

神戸の社労士、マサ井上です!

以前に申し上げましたように、セクハラの被害者加害者の対象に、就活生が含まれるようになりました。

そこで、就職活動とセクハラの危険性について、日経新聞に記事がありましたので、ご紹介いたします。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53443820X11C19A2SHJ000/?n_cid=NMAIL007_20191219_A

ここにある商社の事件は、住友商事のM元社員による事件です。

詳しい内容は、こちらの産経新聞の記事を見てください。

https://www.sankei.com/affairs/news/190416/afr1904160013-n1.html

この元社員ですが、10月の裁判の結果、懲役3年執行猶予5年となりました。

一方、住友商事は懲戒解雇をし、社員には、就活生との飲酒を禁止したとありますが、就活生を守る対策は遅れているようです。

 

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【労務管理】雇用契約と業務委託契約

2019.12.04

神戸の社労士、マサ井上です!

美容室で雇用契約から委託にする等、聞いたことがあります。

以前、訪問した美容室では「美容師は全員、委託です」ということを聞いたこともあります。

「それ、大丈夫か?」と思いましたが、それはさておき。

先日、健康機器メーカーのタニタが、働き方改革の一環として雇用契約から業務委託契約への移行制度を導入している事がニュースで取り上げられました。

これも驚きましたが、今一度、雇用契約と業務委託契約では具体的にどのように違うの考えてみます。

〇雇用契約とは

労働の対価として報酬を与える契約のことを言います。

雇用契約を結んだ場合には労働基準法(労働者保護の法律)が適用され、労働時間の管理や、残業した場合は残業代等の支払いが必要になります。

また、働く時間によっては雇用保険や社会保険に加入させなければなりません。

 

〇業務委託契約とは

仕事の処理を約束することの対価として報酬を与える契約を言います。

取引業者のひとつとなるため、労働基準法は適用されず、残業代等の支払いが不要となります。

また、雇用保険や社会保険の加入も不要です。

ただし、実態としてどのような取り扱いがされているかが重要で、

主に以下項目に該当するならば業務委託契約と判断され、

該当しないならば雇用契約と判断される可能性が高いです。

・仕事の依頼を拒否できる

・勤務場所や勤務時間が指定されていない

・仕事の成果に対して報酬が支払われている(労働時間に対してではない)

・業務に使用する器具の費用負担をしている

・源泉徴収をされていない

企業側から見れば、業務委託契約にすることによって経済的なメリットが大きいと言えます。

また、労働者側から見れば、労働時間に縛られるよりも、成果報酬型の方が時間に自由度があり魅力的に見えるかもしれませんが、業務委託契約を導入する場合は、双方「こんなはずでは!?」

と言ったことにならないよう運用に十分注意すべきですよ。

 

 

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